僕らはどこにも開かない (電撃文庫)

──鎖の音がする。がちゃがちゃがちゃがちゃ……
 鎖の音がする。高校受験やら恋愛だかで辛苦を味わっている奴らを縛る、鎖の音。
 世界という濁流の中に流れる様々な情報で、張りぼてでしかない見てくれを形成し、それを正解だと信じ切っている奴らを縛る、鎖の音。
──がちゃがちゃ、がちゃがちゃ。
 その音から逃げ出したくて、俺は──。
 電撃が贈る衝撃の問題作、登場。

ライトノベルなのに、イラストが無い。
それは一種のライトノベルの定義を崩すもので、そういった意味では問題作。
けれども、中身は至って普通。
物語の構成自体は面白いが、それまで。
問題作という程壊れているわけでもないし、下手にイラストがない方が良いって程文章力が逸脱しているってわけでもない。
ただの話題作りだったのか?って感じをぬぐい去れなかった。
雅人化した』主人公は格好良かったんだけど。
普通に買って読んだら面白いだろうけれど、期待して読むと普通過ぎて少し落胆するかも。
まぁ、読みやすいし、10段階評価なら6ぐらい。