貴志祐介「黒い家」読了。

人はここまで悪になりきれるのか?
人間存在の深部を襲う戦慄の恐怖。
巨大なモラルの崩壊に直面する日本。
黒い家は来るべき破局の予兆なのか。
人間心理の恐ろしさを極限まで描いたノンストップ巨編。
第4回日本ホラー小説大賞受賞作。

ホラー小説と言うことで読む機会をなかなか掴めなかったのですが、やっと今日読めました。
カバーからも「怖いぞー」的なオーラがぷんぷんしてたんですが、確かにこれは怖い。
前半は展開が読めてこんなもんか…とか余裕ぶってたんですが、後半の急展開にはやられた。
いや、色々な意味でやられた。
如何せん急展開過ぎ。
っていうか、やりすぎ。
まぁ、その分理屈の通じない人間の狂気の怖さが思う存分に伝わってきて怖い。
それと、その急展開とはうって変わって犯罪心理の話は興味深かったかなぁと。
後、著者が京大卒で、生命保険会社に勤務したと言う経歴があるからか、舞台である京都市街地や生命保険の描写がかなりリアル。
最後に、この作品の中のキーワードを挙げるなら『臭い』かな、と謎なことを言いつつ終わり。


■お勧め度 8/10