貴志祐介「ISOLA―十三番目の人格」読了。

賀茂由香里は、人の強い感情を読みとることができるエンパスだった。
その能力を活かして、ボランティアで被災者の心のケアをしていた彼女は、西宮の病院に長期入院中の森谷千尋という少女に会う。
由香里は、千尋の中に複数の人格が同居しているのを目のあたりにする。
このあどけない少女が多重人格障害であることに胸を痛めつつ、しだいにうちとけて幾つかの人格と言葉を交わす由香里。
だがやがて、十三番目の人格「ISOLA」の出現に、彼女は身も凍る思いがした。
第三回日本ホラー小説大賞長編賞佳作。

久しぶりの貴志作品。
前評判やカバーからさも怖いんだろうなと期待していた故か、今一つな感が否めない。
貴志作品の怖さは「本当に怖いのは人間自身なんだよ」的な感じが魅力なのであって、
超常的な存在な感じが出てしまうとちょっと興醒め。
ただ着眼点とか発想はいつも通り流石と言わざるを得ないかな。
これで貴志作品で読んでないのは「天使の囀り」だけか…


■お勧め度 5/10